スマレジ・タイムカードで勤怠を打刻している店舗担当者の多くが、最後の「給与振込」の工程で時間を取られています。本記事では、スマレジ勤怠の基本機能を整理しつつ、勤怠データを全銀フォーマット(FBデータ)に変換してそのまま銀行にアップロードできるスマレジ専用アプリ「ぜんぎんコネクト」の使い方まで、SMBの経理・人事・店舗運営の担当者向けにまとめます。
はじめに:この記事の結論(クイックアンサー)
スマレジ・タイムカードで集計した勤怠データを給与振込までつなげたい場合、現実的な選択肢は「給与計算ソフトに連携する」か「全銀フォーマットのFBデータを直接作る」かの2択です。後者を最短で実現するのが、スマレジ・アプリマーケットで提供されている ぜんぎんコネクト です。
タイムカードと自動連携で給料一括振込ができるアプリとして動作し、CSVでの口座一括登録や振込日指定にも対応しています。
この記事の結論
スマレジ・タイムカードで集計した勤怠データを給与振込までつなげるなら、全銀フォーマットのFBデータを直接作れる「ぜんぎんコネクト」が最短です。打刻 → 勤怠集計 → 給与計算 → 振込データ作成を、スマレジの管理画面上で一気通貫に完結できます。
なお、ぜんぎんコネクトは スマレジ・タイムカードユーザー専用 のアプリです。スマレジを契約していない事業者は対象外ですので、以下の内容はスマレジ利用者向けの実務ガイドとしてお読みください。
スマレジ勤怠(スマレジ・タイムカード)とは
サービスの位置づけ
スマレジ・タイムカードは、2014年にリリースされたクラウド型勤怠管理システムで、提供元の株式会社スマレジは大阪市に本拠を置くwebサービス企業です。
POSレジ「スマレジ」を提供する企業が開発したサービスで、小売・飲食・サービス業の店舗を中心に幅広く導入されています。
主な打刻方法
タイムカードアプリは多様な打刻方法に対応しています。
PC打刻、スマホ・タブレット打刻、笑顔認識打刻といった打刻方法があり、パスコードや顔認証、位置情報(GPS)による不正防止対策も整っています。
テレワークや直行直帰のスタッフが多い職場でも、打刻ルールを統一しやすい設計です。
勤怠だけでなく給与計算まで一気通貫
有料プランには、給与計算、シフト作成、休暇管理、業務日報、プロジェクト管理機能などが搭載されており、店舗運営業務を効率的に一元管理できます。
勤怠情報をもとに自動計算が行われるため、Excelでの集計作業からは離れやすくなります。
料金プランの概要
スマレジ・タイムカードには複数のプランがあります。
スタンダードプランは勤怠管理機能のみで、従業員数30名までは月額料金が無料、31名以上の場合は月額1,210円(税込)から利用できます。
給与計算やシフト管理を使いたい場合は上位プランが必要です。
スマレジの有料プランを利用していれば、スマレジ・タイムカードのプレミアムプラスが半額の月額2,420円で使えるという特典があります(プランは変更される可能性があるため、最新の公式情報を確認してください)。
エンタープライズプランの追加機能
エンタープライズプランでは日報管理機能などが追加され、電話でのサポートがプラスされます。
大規模事業所やプロジェクト管理機能を活用したい企業向けの上位プランです。
無料お試し期間
スマレジ・タイムカードでは、アカウント作成から60日間はすべての機能を無料で使用できます。
導入検討中の事業者は、この期間でシフト作成や給与計算機能まで一通り試すのがおすすめです。
スマレジ勤怠と給与・振込業務の現実的な課題
勤怠だけ電子化しても「振込」は手作業が残る
クラウド勤怠を導入したことで打刻や勤務時間の集計はラクになっても、最後の給与振込は銀行のインターネットバンキング画面に1件ずつ口座を入力している、というケースは少なくありません。スタッフが増えるほど、転記ミスや振込先間違いのリスクが大きくなります。
全銀フォーマット(FBデータ)の壁
全銀フォーマットは総合振込・給与振込・賞与振込で利用されるテキスト形式のデータで、ヘッダーレコードは総桁数120桁と決められています。種別コードは総合:21、給与:11、賞与:12です。
桁数や半角カナの取り扱いなどルールが厳密で、Excelでゼロから組み立てるのは現実的ではありません。
法令面の前提
労働基準法第24条において、賃金は(1)通貨で、(2)直接労働者に、(3)全額を、(4)毎月1回以上、(5)一定の期日を定めて支払わなければならないと規定されています(賃金支払の五原則)。
銀行振込は通貨払いの例外として、労働者の同意を得たうえで、労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する振込みによって行うことが認められています。
つまり、給与振込は単なる事務ではなく、労務管理上のコンプライアンス対応そのものです。データ作成のミスや遅延が、賃金未払いのリスクに直結します。
スマレジ・タイムカードユーザーに「ぜんぎんコネクト」が向いている理由
ぜんぎんコネクトの基本
ぜんぎんコネクトはスマレジ・アプリマーケットで提供されているアプリで、スマレジサービスのプランに加入しているユーザーが利用できるサービスです。アプリの初期費用や月額料金は別途必要で、利用にはタイムカードのプレミアムプラン以上が必要、また取引先銀行でインターネットバンキングが利用可能である必要があります。
全国の銀行に幅広く対応
全国1,100以上の銀行に対応し、CSVで手軽に口座を一括登録、振込日指定で給料日前に振込処理ができ、給与・賞与・総合振込に対応しています。
地方銀行や信用金庫を利用している中小企業でも、対応行の幅が広い点はメリットです。
スマレジ・タイムカードとの自動連携
スマレジ・タイムカードの勤務データを自動で同期し、給与情報を計算します。どの銀行でも一括で給与を振り込める「全銀フォーマット」の振込データを自動生成するので、これをアップロードするだけで給与支払いが完了します。
打刻 → 勤怠集計 → 給与計算 → 振込データ作成、という分断しがちな業務を1つのスマレジ管理画面の上で完結できる点が、他の汎用FBデータ作成ツールとの違いです。
口座情報の一元管理
会社の給与支払い口座や、社員の入金口座を一元的に管理できます。登録もワンステップで可能です。
従業員の入退社時に、Excelや銀行サイトと給与システムで二重・三重にメンテナンスする手間が減ります。
ぜんぎんコネクトの使い方(実務フロー)
① 従業員の銀行口座を登録
最初に従業員の銀行口座情報を登録します。アプリ申込後、スマレジの管理画面より右上の3本線アイコンから「マイページへ」を開き、ご利用中のアプリ一覧からぜんぎんコネクトのアイコンをクリックし、アプリ内で従業員口座・出金口座の設定を行います。
社員番号や氏名(半角カナ)の登録ミスがあると振込エラーの原因になります。スマレジ・タイムカード側の従業員マスタと整合性を取りながら、社員番号で突き合わせるのが安全です。
② 勤怠データを確認・調整
打刻漏れや休憩時間の不整合は、スマレジ・タイムカードの管理画面で先に修正します。打刻忘れの調整、休憩の打刻、深夜・残業時間の確認は、給与計算より前に必ず行います。
③ 振込データを出力
「振込データ出力」を行い、出力したファイルをインターネットバンキングで送信すれば振込処理が完了します。
種別コードは給与振込なら「11」、賞与振込なら「12」が一般的です。
作成された全銀フォーマットファイルには拡張子がないことが多く、確認のためにメモ帳等で直接開くと破損する恐れがあるため注意が必要です。
④ 銀行のインターネットバンキングへアップロード
各銀行のEB(エレクトロニックバンキング)サービスにログインし、給与振込メニューからFBデータをアップロードします。送信のタイミングや締切時刻は金融機関ごとに異なるため、各銀行のマニュアルを必ず確認してください。
スマレジ勤怠 × 給与計算 × ぜんぎんコネクトの組み合わせ例
パターンA:スマレジ・タイムカードで給与計算まで完結
プレミアムプラン以上では給与計算機能が使えます。
スマレジ・タイムカードは出退勤データを自動集計し、そのまま給与計算へ。さらに社会保険料や税金の計算、年末調整までスムーズに対応できます。また賃金台帳・出勤簿・労働者名簿の法定三帳簿をワンクリックで出力できます。
このパターンでは、スマレジ・タイムカード内で算出した支給額をベースに、ぜんぎんコネクトでFBデータを生成する流れが自然です。
パターンB:外部の給与計算ソフトと併用
既存の給与計算ソフトを使い続けたい企業は、スマレジ・タイムカードで勤怠集計をCSV出力し、給与ソフト側に取り込みます。最終的な支給額が確定したあと、ぜんぎんコネクトで振込データを作る運用も可能です。
パターンC:シフト・労務アラートを組み合わせる
スマレジ・タイムカードでは、設定した時間を超えそうな従業員がいると、管理者や本人に自動で「労務アラート」を通知します。36協定の遵守や過重労働を防ぐための機能です。
シフト管理・労務アラートで日々の勤務時間を制御しつつ、月末に給与・振込の流れにつなげるのが理想的な運用です。
ぜんぎんコネクトの登録手順
ぜんぎんコネクトは、スマレジを利用していればすぐに試すことができます。以下の3ステップで利用開始できます。
ステップ1:スマレジ・アプリマーケットを開く
ぜんぎんコネクトのアプリページにアクセスします。スマレジ・アプリマーケットでは、必要なアプリだけ購入する仕組みで、スマレジの月額費用として合算で支払うため、利用料金が一元管理できます。
ステップ2:「30日間 無料体験」を押す
アプリ詳細ページから「30日間 無料体験」を選択します。導入前に自社の勤怠データや口座データで挙動を試せるので、まずは無料体験で実運用に乗せられるかを確認するのが安全です。
ステップ3:スマレジ IDでログインして利用開始
普段スマレジ管理画面にログインしているIDで認証すれば、そのまま利用開始できます。スマレジ・タイムカードの従業員データとも自動で連携されるため、初期セットアップの工数は最小限です。
導入前にチェックしておきたいポイント
取引銀行のインターネットバンキング契約
FBデータをダウンロードして銀行専用のソフトウェアにアップロードして利用するため、事前に「利用中の金融機関と会社にてファームバンクの契約がされているか」「利用中の金融機関で全銀協のフォーマット(テキストデータ)に対応しているか」を確認することが推奨されます。
スマレジ・タイムカードのプラン
ぜんぎんコネクトを利用するには、タイムカードのプレミアムプラン以上が必要です。
無料のスタンダードプランでは利用できないため、まずタイムカード側のプラン確認をしておきましょう。
従業員情報の整備
社員番号、氏名(半角カナ)、銀行コード、支店コード、預金種別、口座番号の6項目は最低限正確に揃える必要があります。入社時の情報収集フローを見直し、スマレジ・タイムカードに登録する段階で口座情報も合わせて確認しておくと、毎月の振込業務がスムーズになります。
振込日のスケジュール管理
賃金支払日が休日で振込等ができない場合は、支払日を前倒しにするなど日付を変更することができ、就業規則に賃金支払日が休日だった場合の内容を定めておくことが望ましいとされています。
給与日が土日祝に重なる月は、銀行の処理日を逆算してFBデータを作成する必要があります。
よくある運用上のミスと対策
半角カナの取り扱い
全銀フォーマットの依頼人名は40桁の半角カナで指定されており、文字形態のルールが定められています。
全角文字や記号が混ざっていると銀行側で受付エラーになるため、登録時に必ず半角カナへ統一します。
口座名義の不一致
結婚等で名義が変わったスタッフの情報が古いままだと、振込が差し戻されることがあります。年に一度は従業員情報の棚卸しを行うのがおすすめです。
ファイルを直接開いてしまう
前述の通り、生成されたFBファイルはテキストエディタで開くと意図せず改行コードや文字コードが変わってしまう可能性があります。中身を確認したい場合はコピーを取り、原本はそのまま銀行にアップロードしましょう。
FAQ:スマレジ勤怠と給与振込の疑問
Q1. スマレジ・タイムカードの無料プランだけでも給与振込までできますか?
無料のスタンダードプランは勤怠管理機能のみが利用できるプランで、給与計算機能は含まれません。ぜんぎんコネクトの利用条件もプレミアムプラン以上のため、給与振込まで一気通貫で行いたい場合は有料プランへのアップグレードが必要になります。
Q2. iPhoneやiPadがないと打刻できませんか?
PCやタブレットでも打刻は可能ですが、打刻専用のタイムカード・アプリを使用する場合は、iPad/iPhone/iPod TouchなどのiOS端末が必要です。
店舗の入口に据え置く打刻端末としてはiPadが扱いやすい選択肢です。
Q3. ぜんぎんコネクトはどの銀行で使えますか?
全国1,100以上の銀行に対応しており、給与・賞与・総合振込に対応しています。
ご利用の銀行が対応しているかは、契約しているインターネットバンキング側の「全銀フォーマットアップロード」機能の有無で確認するのが確実です。
Q4. 給与振込以外(協力会社への支払い等)にも使えますか?
ぜんぎんコネクトは給与・賞与・総合振込に対応しているため、種別コード21(総合振込)でデータを作成することで、業務委託先などへの支払いにも応用できます。ただし運用ルールは各企業で取り決めてください。
Q5. デジタル払い(〇〇Payでの給与受け取り)には対応していますか?
令和5年4月から賃金を電子マネーで支払うことを認める「賃金のデジタル払い」が解禁され、通貨払いの原則の例外としてデジタル払いが追加されました。
ただし2026年時点で対応資金移動業者は限定的なため、本記事執筆時点では「銀行振込+一部スタッフのみデジタル払い」というハイブリッド運用が現実的です。ぜんぎんコネクト側の対応状況は最新の公式情報をご確認ください。
Q6. 振込手数料を給与から天引きしてもいいですか?
労使協定なしに天引きするのは避けるべきです。
法令の定めがなく、労使協定を締結していない場合の天引きは認められておらず、振込手数料などを給与から勝手に天引きすることは違反となります。
振込手数料は会社負担とするのが一般的です。
Q7. 導入はどれくらいの期間でできますか?
スマレジ・タイムカードのアカウント作成自体は申込みに必要な書類はなく、アカウントの作成から数時間〜1日ほどで導入が可能です。
ぜんぎんコネクトもアプリマーケットから即日で試用が始められますが、従業員の口座情報収集には数日〜数週間見ておくと安心です。
まとめ
スマレジ・タイムカードは、店舗向けのクラウド型POSレジシステムと連携でき、勤怠管理機能は一定人数まで無料で利用でき、有料プランで給与計算や年末調整までカバーできるサービスです。一方で、最後の「振込」工程は、銀行ごとのフォーマット要件や法令対応もあり、意外と時間を取られがちな業務です。
ぜんぎんコネクトを使えば、スマレジ・タイムカードに蓄積された勤怠情報をベースに、全銀フォーマットの振込データを自動生成し、銀行のインターネットバンキングへアップロードするだけで給与支払いを完結できます。スマレジを使っている事業者なら、まずは30日間の無料体験で自社の運用に合うかどうかを確かめてみるのがおすすめです。
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